弁護士法人フィクショナル・公式ブログ(架空)

架空の国の架空の弁護士によるブログ

2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「4分33秒」のパラドックス

今から72年前の1952年8月29日、ニューヨーク州アルスター郡ウッドストックにあるマーベリック・コンサートホール。 この日この場所で、ジョン・ケージの「4分33秒」が初演された。 世界で最も有名な現代音楽作品である(現代音楽とは、ざっくり言うと、第二…

初鑑賞③【戸田邦雄「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」(1957年)】

入野義朗、柴田南雄、戸田邦雄ら三人衆の諸作品を初めて鑑賞する試み。 と言っても、YouTube音源だけど。 一昨日は柴田の作品を、昨日は入野の作品を、初めて聴いた。 柴田の作品は面白く感じたが、入野の作品は大嫌いというのが私の感想(今のところ)。 最…

初鑑賞②【入野義朗「シンフォニア」(1959年)】

入野義朗、柴田南雄、戸田邦雄ら三人衆の諸作品を初めて鑑賞する試み。 と言っても、YouTube音源だけど。 昨日は柴田南雄の作品を初めて聴いた。 私が受けた第一印象は、シェーンベルクを日本の怪談テイストに仕立て直したような感じ。 意外と面白かった(何…

初鑑賞①【柴田南雄「シンフォニア」(1960年)】

作曲家・諸井三郎の弟子に、入野義朗、柴田南雄、戸田邦雄という、いずれも東大卒のエリート三人衆がいたそうだ。 この三人衆が規範としたのは、ドイツ音楽だったらしい。 「そうだ」とか「らしい」と書いたのは、本日に至るまで、私が三人の作品を一つも聴…

"男性の体臭"炎上フリーアナ元所属事務所の声明

気になる箇所が一点。 川口氏と当社との関係性ですが、本件以外に於いて関係性は良好でありましたことを申し添えます。一部ネット上で、彼女の普段の素行の悪さから契約解除になったという憶測が出ておりますが、そのようなことはありません。 これ書くこと…

生粋のパリっ子ざんす【フランシス・プーランク】

「日本のクラシック音楽界はドイツ音楽の影響が濃厚」と指摘されることが多い。 明治維新以降、西欧列強に追いつけ・追い越せを目指した日本。 西欧文化も、娯楽ではなく、勉強のために輸入された節がある。 クラシック音楽も「役に立たない娯楽」ではなく「…

終戦の日【三善晃の反戦三部作】

終戦の日は、三善晃の反戦三部作を聴きましょう。 改憲論争、ウクライナ戦争、パレスチナ問題・・・。 未だ私達の日常は、危うく脆い平和の上に成り立っています。 平穏な日々に只々感謝です。 三善晃「レクイエム」(1972年) youtu.be 三善晃「詩篇」(197…

割としっかり前衛な現代ギター曲

クラシックギター界隈には前衛の名作がない! こういうことを言うと 「武満徹がいるじゃないか」とか 「ブリテンをご存知ない?」とか 言われそうだけども。 武満徹「フォリオス」(1974年) youtu.be 武満徹「エキノクス」(1993年) youtu.be ブリテン「ノ…

差別にも理由がある

本日8月9日は長崎原爆の日。 本日の平和祈念式典について、長崎市はイスラエルの駐日大使を不招待としました。 当然でしょう。 イスラエルはジェノサイド等の戦争犯罪も辞さない反平和国家です。 ところが、長崎市の対応を受け、G7(日本を除く他6か国)とEU…

俺がお前でお前が俺で

俳優の田中美央さん。 我が家では「みおう様」と呼ばれております。 キングダムの実写版では渕さんを演じておられます。 ただの良い人じゃなくて「やるときゃやる」感が滲み出てます。 キングダムのアニメ版では汗明を演じておられました。 同じ原作のアニメ…

凡作の超名演

歌劇「リエンツィ」という作品があります。 貧乏で不遇をかこっていた若きワーグナーの出世作です。 ワーグナー自身は同作を気に入っていなかったようです。 ワーグナー作品の専用劇場であるバイロイト祝祭劇場においても、「リエンツィ」はレパートリーから…

徳川慶喜とショスタコーヴィチ

徳川慶喜とショスタコーヴィチは似ている。 私は勝手にそう思っている。 ①時代に翻弄された智者 ②何を考えているか分からない ③賛否両論 という共通点があるからだ。 私は彼らの「わけのわからなさ」が大好きだ。 ①時代に翻弄された智者 ・慶喜 対諸外国、対…

【訃報】湯浅譲二 逝去(享年94)

先日のリーム逝去に続き、またしても超大物が亡くなった。 湯浅譲二だ(享年94)。 これで実験工房(漫画界でいうトキワ荘みたいなもの)の音楽関係者は全員亡くなったことになる。 8月7日には個展が予定されていた(おそらくこの度の急逝を受けてもキャンセ…

20世紀以降のクラシック音楽界隈と理数系の親和性

クラシック音楽界隈には、かつては法学系出身の人材が意外と多かった。 パッと思いつく限り、作曲家のヘンデル、シューマン、チャイコフスキー、ストラヴィンスキー、指揮者のベームや朝比奈隆らがいる。 ただ、このことは別に法学と音楽の親和性を意味する…

円高株安に騒ぐクソ馬鹿どもへ

「やっぱり新NISAは胡散臭いと思っていた!」 「オルカンやSP500を買った奴は馬鹿だ!」 「森卓(森永卓郎)は正しかった!」 とかいう馬鹿ども。 あまりに当たり前のことすぎて、書くのもバカバカしいのだが、新NISAは金融商品ではない。 ただの少額投資非…

言葉とは道具である③

言語学においては、「言葉は道具である」という考え方は、古臭くて素朴な誤った言語観と考えられているらしい。 大抵は否定的な文脈で「言語道具説」や「言語道具観」などと呼称されているようだ。 興味本位で関連する論文や書籍などを読んでみた。 しかし、…