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続・松本人志完全終了

松本人志の最大の失敗は、文春の記事発表後に速やかに会見を開かなかったことだ。

早期に会見を開いて堂々と説明していれば、ここまで世間の反感を買うことはなかっただろう。

「性的行為の強要はなかった」という一点さえ守り切れば、それほどのダメージはなかったはずだ。

 

しかし、彼は終始逃げ腰のまま、疑惑に関する説明をしてこなかった。

当初、ワイドナショーに出演し、弁解することも考えていたようだが、これも印象がよろしくない。

ワイドナショーは元々彼の冠番組であり、生放送ではなく、収録後に編集して放送される番組だ。

自分に忖度してくれるスタッフ・出演者に囲まれながら、後で上手い具合に編集して、「綺麗な弁解」をお茶の間にお届けしたかったわけだ。

予期せぬ質問が飛んできて、発言の編集もできない会見とは、勝手がまるで異なる。

保身と捉えられても仕方がない。

 

そのうえ、Xで「事実無根なので闘いまーす」などと、誤解を招く投稿をして、揚げ足をとられてしまっている。

すなわち、「事実無根」と記載すると、性的行為自体が無かったようにも受け取られかねない。

しかし、その後の訴訟で、彼は、性的行為があったことを前提に、強要はなかったという説明をしているようだ。

相手の出方を窺いながら、小賢しく弁解を変遷させているように見えてしまう。

 

交渉で解決せず、提訴したことも大失敗だ。

訴え取下げの際に、文春との間で訴外和解が成立したと思われるが、その取り決めか何かのせいで、疑惑について詳細に弁明する機会も失ってしまったようだ。

(訴え取下げには、被告である文春の同意が必要になる。同意を取り付ける条件として、松本が発表できるコメントの内容や範囲にも制限が付けられたのだろう。松本や代理人弁護士がそのことを仄めかすコメントを出している。要するに敗訴的和解を強いられたわけだ。)

 

ところで、本件について、性犯罪の冤罪事案に引き付けて議論する人もいる。

・問題の女性が被害届を出していないこと

・物的証拠がないこと

・松本自身が性行為の強要を否認していること

が主な理由だ。

推定無罪(しかも、起訴はおろか、刑事事件化すらされていない)なんだから、芸能界から干すという社会的制裁を加えるのは不当だというわけだ。

 

たしかに、この指摘は全くもって正しい。

しかし、私が問題視しているのは「彼が性犯罪を行ったかどうか」ではない。

疑惑が生じた後の彼の対応が大問題なのだ。

 

一般人の冤罪と異なり、彼のような有名人は、会見を開いて世間に対して弁明する機会を持つことが可能だ。

本当に冤罪なのであれば、堂々と会見を開けばよかったのだ。

・問題の女性が被害届を出していないこと

・物的証拠がないこと

・松本自身が性行為の強要を否認していること

これらは本来松本にとって極めて有利な事情だ。

これらの前提に立てば、「性的行為の強要はなかった」という絶対防衛ラインは守りきれたはずだ。

しかし、彼はそれをしなかった。

なぜか。

世間が色々と余計な想像を膨らませても仕方ないだろう。

 

また、芸能界・テレビ局が彼を一方的に干したのではない。

彼が勝手に仕事をストップしたのだ。

で、勝手に提訴して、勝手に敗訴的和解をして訴訟を取り下げ、そのせいで詳細なコメントが出せない状態に追い込まれたのだ。

スポンサーを納得させるだけの誠実な弁明がなされなければ、テレビ局としても松本を使うことができない。

彼を使っても良いとするだけの大義名分がないからだ。

 

で、テレビ復帰が絶望的になってしまった。

独自のプラットフォームを設けて、サブスクで視聴者から金を出させる、などと言いだしているのが本日時点での状況だ。

なぜYouTubeじゃないのか。

登録者数・再生数が露骨に分かってしまうこと、後輩芸人に負けてしまう可能性を嫌ったのだろうか。

だとしたら甚だカッコ悪い。

YouTubeに進出して奮闘する石橋貴明の勇気と負けん気は、やっぱり凄かったのだ。