憲法学者の当たり年と言われるのが1955年。
1955年〜1956年の間に、棟居快行、長谷部恭男ら (敬称略)を筆頭に、多くの優れた憲法学者が誕生している。
界隈では「55年組」などと呼称されているそうだ。
中でも長谷部恭男は影響力が大きい。
私も学生時代に彼の黄色い基本書を読んでいた。
しかし、長谷部恭男の学説については、恥ずかしながら殆ど覚えていない(司法試験でも実務でも全く使わないし)。
ただ、彼のベースライン論なる議論については、その厨二心をくすぐるネーミングと説得力に唸ったことをよく覚えている(司法試験の答案に書けるような代物ではなかったと思う)。
また、うろ覚えだが、長谷部恭男は、報道機関の「報道の自由」について、自然人の人権とは区別して、独自の説明・位置付けを与えていたように思う。
その考え方を痛烈に批判していたのが、年長で同じく東大で教えていた高橋和之だったはずだ。
二人は犬猿の仲と聞いたが本当だろうか。
高橋和之の弟子にして一門の「最高傑作」である宍戸常寿は、師匠の高橋と大先輩の長谷部の両方から「お前どっちにつくんだ?」と詰め寄られる(どっちを選んでも討死にするしかない)という、「かわいそうな天才」と一部界隈で評されていたとかなんとか。
今の憲法学界隈ではどんな議論がホットなんだろうか。
やっぱり、性別変更、トイレ使用、同性婚、ヘイトスピーチ、発信者情報開示・投稿削除あたりの議論だろうか。
殆どの議論が実務には何っっっの役にも立たないが、興味本位で憲法関連の新しい書籍でも読んでみようかな。