弁護士の団堂八蜜です。
皆さん、デスク回りは整頓されていますか?
私は壊滅的です。
大量の書類でごった返しており、紙の雪崩に襲われることもしばしば。
とてもご依頼者様には見せられません。
そんな弁護士は意外に多いと思います。
几帳面さが求められる仕事なのに。
何故そんなことになるのか?
2つの大きな理由があります。
1.法曹業界の紙媒体への依存
2.弁護士業の性質
1.法曹業界の紙媒体への依存
裁判所、検察庁、弁護士同士のコミュニケーションの取り方は
基本的には、直接対面しての口頭、電話、書面の郵送又はFAXです。
(法律家らしく言い直すと「直接対面しての口頭、電話又は書面の郵送若しくはFAX」ですね。)
かなり例外的な場合を除き、裁判所や検察庁との間でメールのやりとりは行いません。
弁護士間、ご依頼者様とのやりとりではよく使いますが。
基本は紙!紙!!紙媒体なのです!!!
もうこれが大量になるから大変です。
訴訟なんかになってる件だと、大量の主張書面や証拠を紙に印刷して、裁判所に渡す用、相手方に渡す用、自分の控え用の最低3部は用意します。
ご依頼者様がメールでデータを受け取れないと、やはり紙に印刷して控えをお渡しすることになります。
この場合は、大量の主張書面と証拠のセットを4部用意するわけです!
何という資源の無駄使い!!
法律関係の専門書籍の類も、依然、電子化は進んでおりません。
ですから、やはり紙媒体で購入して用意しておく必要があります。
あぁ紙!紙!!紙!!!
裁判所のお偉方が主導してくれないと、業界のペーパーレス化は遅々として進まないでしょうね。
一応既にIT化の議論を進めてくださる方も多々いらっしゃり、少しずつ導入はされていくようですが・・・。
頭パープリンな輩みたくすぐ「海外は〜」とか言いたくないですが、こればっかりは本当に思います。
「海外は〜」
2.弁護士業の性質
弁護士の仕事内容をシミュレートしてみます。
案件①の訴状作成のため、資料を検討。
案件②で電話がかかってきて、別件の資料を取り出し、回答。
電話が終わると、案件③のFAX文書が相手方から送られてくる。
検討して結果をご依頼者様に電話又はメールで報告。
案件④の訴訟の主張書面が郵送されてくる。
次回期日にて指摘すべき事情等ないか検討。
案件⑤のご依頼者様から電話。追加のご要望・トラブル相談。
早急な対応が必要とわかり、直ちに書面作成。
案件⑥の事務処理に関し、事務局から相談される。
資料を検討して指示。
この案件①〜案件⑥に対応している間、案件⑦〜⑩でも電話やメールでの連絡が入ってくるので対応。
その間、弁護士会、法テラス、保険会社、裁判所等からの郵送物が矢継ぎ早に届く。
午前終了。
とこんな具合だ。
複数案件を文字通り同時進行で処理しなければならないので、デスクの上は資料の山が出来上がる。
逐一片付けてから対応することができず、あっという間に散らかっていく。
いやはや困ったものだ。
・・・・・・
これでは余りに非生産的。
何らかの対策を講じる必要がありますね。
1.の業界慣行については、裁判所等も巻き込む話ですから、難しいですね。
弁護士会の会務活動を通じて、裁判所等との折衝を重ねていく他ない。
一応少しずつ実施はされていくようですが、もっと早期かつラディカルな改善を期待しております。
出番ですよ、新進気鋭の若手先生方。
頑張れ!阿部士先生!!
2.については、可能な限り資料をPDF化して、紙媒体に頼らないようにするということになりましょう。
これまでは全部のPDF化というのはしていませんでしたが、今後は徹底した方が良いですね。
面倒臭がっちゃいけない。
※この連載はフィクションです。実在の人物、団体及び事件等とは何ら関係がありません。