諸事情により、この連休は旅行に行けず。
アニメ映画をアマプラで視聴。
一本目はコナンのベイカー街の亡霊。
二本目は本日サブスク解禁の鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎。
コナンは原作・アニメ・映画、いずれも遠ざかって久しい。
ベイカー〜は、劇場公開された2002年から実に22年ぶりに視聴する。
冷笑的な灰原さんの台詞回しや、ステレオタイプに過ぎるエリート二世三世の子供達の意地悪なキャラ設定など、やや鼻につく面もなくはない。
だが、やっぱり面白い。
仮想空間だから、主要キャラを殺すのも、自殺させるのも、ホームズやモリアーティを出すのも、変身も何でもあり。
推理モノの禁じ手を連発しながら、冷めるような展開にならず、ちゃんと面白い。
厭世的な世界観から始まりながら、未来への希望を感じさせるメッセージ色が強い。
しかしながら、映画公開の2年後に当の脚本家が自殺してしまったというのが何とも……。
ゲゲゲの謎も面白かったなぁ。
こちらも人間の醜悪さを徹底的に描きながら、僅かに残されたヒューマニズムへの期待と希望を感じさせる作品だ。
それにしても、小説・映画・漫画・アニメの場合、グロ・ダークでも、ちゃんと商業的に成功して評価される。
対するに、音楽の場合、グロ・ダークなのは商業的には完全に御法度だ。
なぜだろう?
ほとんどの人が音楽なんかに興味ないからなんだろうな、きっと。
気持ちを奮い立たせるための享楽、一時的な慰み物に過ぎないんでしょうな。
バルトークなんか、グロ・ダークでサイコオカルトな作風で活動してたけど、クラシックのお堅い世界ですら干されたくらいだからなぁ。
ところで、そんな彼の一番怖い作品は、渡米して極貧生活を経た後、久々の委嘱に狂喜して書き上げた「管弦楽のための協奏曲」だと思う。
完全にイッちゃった人が、残された生命力を振り絞って、あんなアメリカン・シティライクな娯楽作を作ってしまったのだ。
彼の創作歴・人柄を知ったうえで聴くと、何とも言えない気持ちになる怖〜い作品だ。
しかしながら、本作は彼一番の人気作だったりする。
陽キャアメリカ人達は、あの作品の表面的な輝かしさとエネルギーに惹かれたんでしょう。
あの作品の本当の怖さなんて知らないだろうし、バルトークの人となりにも、これっぽちも興味なんてなかっただろうしね。
本作がウケた後、ほどなくしてバルトークは死んじゃうし。
なんとも皮肉なもんですなぁ。