もう何回放送しているのやら。
本作に登場する黒猫のジジについては「なんでラストシーンで喋らないの?」と疑問に思う人がいるらしい。
ご存知ない方向けにご説明しますと、主人公で魔法使いのキキは、魔法を使ったり、黒猫のジジと人語で会話したりします。
ところが、あるとき、魔法がうまく使えなくなり、ジジとも話せなくなります。
スランプを乗り越え、最終的には魔法の力を取り戻しますが、ジジとは会話ができないままです。
ラストシーンで、ジジは「にゃあ」と鳴くだけで、人語は話しません。
それを見たキキは、何かを悟ったように微笑みます。
ご存知ない方にはチンプンカンプンかもしれません。
これ、ちゃんと作品を視聴すると、ジジが喋らない理由は至極明快なんですね。
キキが人間的に成長したからです。
精神的に未熟なうちは、お人形相手に自分の心の声と会話する感覚で、キキはジジと接していたわけです。
スランプを経て人間的に成長したことで、キキはジジの声を必要としなくなったんですね。
魔法の力は復活したのに、ジジとは会話できないまま、ということは、ジジとの会話は魔法でも何でもなかったということです。
原作とは違うそうですが、映画においてこの解釈がとられていることは、一目瞭然です。
子供さんならいざ知らず、大人の視聴者ならば、当然理解して然るべきものです。
ところが、大人でもこれが理解できない方が結構いらっしゃるようです。
何でもかんでも詳細・明快に説明しないとダメなんですかね。
そんなことしたら、TVドラマも、映画も、小説も、アニメも、野暮ったくてかなわんですよ。
多くのこんな「分からず屋」どもが、「最近のテレビはつまらない!」、「テロップが邪魔!」、「ワイプが邪魔!」とか言ってるんでしょうか。
誰のせいだと思ってるんでしょうね一体。