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現実薄口映画批評1「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」【はらだともよ】

事務局長のジーコ松浪です。

 

5月31日から公開されております映画ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」

 

先日、視聴して参りました。

 

我松が書く映画批評記事とは異なり、私が書く記事は「本当に映画を観た感想」になります。

嘘や妄想は一切ございません。

 

※以下ネタバレ注意※

 

◯登場怪獣

ゴジラの他に、キングギドララドンモスラがメイン怪獣として登場します。

 

その他にも、何種類もの怪獣(キングコングとか、クモンガみたいなのとか、ゾウみたいなのとか、ムートーとか全部で17種類いるらしい)が一応登場はしますが、実際に活躍するのは上記の四体です。

 

◯人間たちの属するグループ

・怪獣の生態を調査し、怪獣と人間の共存を目指す研究機関が主役ポジション渡辺謙とかチャンツィーもここに所属)

 

・地球上の全怪獣を目覚めさせて生態系のバランスを取り戻そうとするテロリストが敵ポジション

 

・「やばいから  殺してしまえ  全怪獣」な信長スタンスの政府系はほんのちょい役

 

◯粗すぎるあらすじ

テロリスト達が、地球の生態系のバランスを取り戻すため、怪獣を目覚めさせていく。

 

地球の守り神・キング的なポジションであるゴジラは、目覚めたキングギドラとバトることに。

 

軍は、この際ゴジラキングギドラを一挙に抹殺しようと新兵器(詳細は後述)を投入。

ゴジラは瀕死に!でもキングギドラは何と無傷!

ラドンキングギドラ先輩の舎弟になる。

 

調べていくうち、キングギドラが超ヤベェ奴であることが判明。

実は宇宙から来た地球外生命体だったのだ。

生態系のバランスも何も、これただの凶悪な外来生物だよ。

「お、すまんwwww危険な外来種だったwwww蘇らせちゃダメなヤツだったわwwww」

(とはテロリスト達もさすがに言いませんでしたが・・・)

 

その後、何やかんやあって、渡辺謙が捨て身で核爆弾を起爆し、瀕死のゴジラにエネルギーを注入。

ゴジラ、より強くなって復活。

 

再びゴジラがヨソ者キングギドラを迎え撃つ。

人類も一緒に戦う。

モスラゴジラの味方。

ラドンキングギドラの味方。

 

結果ゴジラが勝った!

あいつこそ怪獣の王様だ!

モスラは殉死!

ラドンゴジラに御辞儀する(お前はぶりぶりざえもんか)!

 

◯衝撃展開の数々

・幻の兵器「オキシジェン・デストロイヤー」が登場

渡辺謙が死ぬ

モスラが死ぬ

ゴジラに千切られたキングギドラの首が1本残っており、テロリストがこれを手に入れEND

 

◯感想

一言で言えば「凡作」ですね。

 

・良いところ

映像表現は流石でした。

ハリウッドの技術力・資金力でもって、往年の人気怪獣達のバトルが映像化されたのは、素直に喜ぶべきことでしょう。

 

日本版からの良さも残っていると思います。

ゴジラが登場・復活する際に、お馴染みの咆哮・BGMが鳴り出した時は、身体中にゾワゾワっと鳥肌が立つくらい興奮してしまいました。

 

・悪いところ

ストーリー自体に特にヒネリはありませんでした。

ゴジラ映画には、社会派的側面と娯楽的側面の二つの側面があります。

本作も例外ではありません。

が、どちらの方向性で観ても、やや中途半端な感が否めません。

人間は、自然や環境、その脅威とどう関わっていくべきかみたいな。よくある話ですね。

日本版初代ゴジラシン・ゴジラほどのメッセージ性は感じませんでした。

かといって、娯楽方面で突き抜けているか、例えば戦闘シーンがスゴ〜く良かったかというと、そんなに印象的なシーンもなく。

 

また、途中、死にかけたゴジラを復活させるため、主人公勢が奮闘するくだりがあるのですが、これが冗長でした。

その辺のダラダラ感はもっと何とかならなかったのかな?と思ってしまいます。

 

キャラの掘り下げも深くないですね。

渡辺謙が、地球のため自らを犠牲にして死ぬシーンも、特に感動はしませんでした。

また、某キャラが乱心してキングギドラを復活させてしまい、最後は自己犠牲の精神で死んでいくのですが、「いや、お前のせいでこんな大変なことになったんじゃろが!早よ逝ねや!」としか思えませんでした。

総じて感情移入がしにくかったと思います。

 

それと。

なんと本作には幻の兵器「オキシジェン・デストロイヤー」が登場するのですが・・・

何やねんあの扱いの軽さは!

 

「オキシジェン・デストロイヤー」といえば、日本ゴジラの記念すべき第1作「ゴジラ(1954年)」に登場する超危険物質(装置)。

天才科学者である芹沢博士(渡辺謙の役名と同じ苗字!)が発明したもので、水中で使用すると周囲の酸素を破壊し、生物を死に至らしめる効果を持つ。

 

ゴジラ(1954年)」では、芹沢博士が、自らを犠牲にして、東京湾でこれを使用し、初代ゴジラを消滅させることに成功した。

 

あまりに危険な兵器であることから、悪用を恐れた芹沢博士は、生前に研究資料を全て破棄。開発者である自身の命も断ってしまったため、誰も再現できないロストテクノロジーに。

 

数多の日本版ゴジラ作品において、ゴジラを完全に倒すことが出来た唯一にして最強、禁断の兵器である。

 

平成VSシリーズの最終作にもデストロイアという怪獣が登場する。

 

これは第1作で芹沢博士が使用した「オキシジェン・デストロイヤー」の影響から、東京湾復活・変異した古代生物という設定だ。

 

「オキシジェン・デストロイヤー」と同等の威力を誇るミクロオキシジェンという物質を濃縮した光線を出すことができる。

 

平成VSシリーズのラスボスを務めるに相応しい、ゴジラにとって因縁の敵ともいうべき魅力的な怪獣であった。

 

ゴジラシリーズにおいて「オキシジェン・デストロイヤー」は、日本版ゴジラ核兵器原発と同じく、私達人間が生み出してしまった制御不能・予測不能な絶対的「力」、謂わばパンドラの箱としての象徴的意味合いがあるのだ。

 

そんな「オキシジェン・デストロイヤー」、本作ではごくさらっと登場する。

 

名前もよくわからない将軍キャラ(?)が、作品中盤でいきなり登場し「新兵器を開発した。オキシジェン・デストロイヤーというものだ。危ないからすぐ離れろ。」などと主人公勢に指示、ミサイル的なものを投下。

 

が、結局、ゴジラはただ死にかけるだけだし、キングギドラに至っては全くの無傷という大変残念な結果に(地球外生命体だから、酸素が破壊されても影響を受けないということなのかな?)。

 

これ、使うならせめて

「同じ『芹沢博士』の役名を持つ渡辺謙がこれを使って特攻!それでも勝てませんでした!」

という流れにした方が、もっと胸熱展開になったんじゃなかろうか。

 

憎いファンサービスになると同時に、「今回のゴジラキングギドラは本当にヤバい奴なんだ」という絶望感も煽れますし。

 

あれじゃあ「ポッと出の噛ませ兵器」にしか見えません。

 

日本版だと幻のロストテクノロジーなんだよ?!

あらゆる怪獣やアイテムのなかで、日本版ゴジラを完全抹殺した唯一の武器なんだよ?!

平成VSシリーズ最後の締め括りにも関わった、ゴジラにとって因縁の物質なんだよ?!

 

だのにこの扱いはいかに何でも軽すぎやしないかい?!

 

・・・・・・

 

とまぁ私個人としては色んな不満が残る作品でした。

 

一回観れば十分かなぁ。

 

得点:70点/100点

 

 

※この連載はフィクションです。実在の人物、団体及び事件等とは何ら関係がありません。