弁護士の我松衰です。
昨日、郡玉大学附属高校の生徒さん達が、事務所訪問にいらっしゃいました。
この度の事務所訪問が、皆さんの進路選択にあたり、少しでもお役に立ったのであれば幸いです。
他方、残念ながら、都合により参加が叶わなかった生徒さんもおられるとのことでした。
そこで、本記事では、当法人の若手アソシエイトO氏と生徒さん達の質疑応答を掲載することとしました。
不参加の生徒さん達にも、何かご参考になりますように。
〇普段はどのような仕事をしていらっしゃるか
業務の内容は、交渉、裁判手続、書面作成、契約書のチェックがメインです。
案件の種類は、離婚、相続、交通事故、債務整理(破産や再生手続等)、顧問業務、労働事件、刑事事件が主です。
◯なぜ弁護士になられたのか
弁護士という進路については、高校生の頃から候補として意識していたと思います。
崇高な志があったとか、正義感が強かったからとか、そういったことは特にありません。
ただ、当時から「知識・技能を身に着けないと食べていけないのではないか」という漠然とした不安感はありました。
シンギュラリティという言葉はまだ一般的ではなかったと思いますが、それでも当時から、多くの仕事が外国人労働者やロボットにとられていくだろうということは議論されていましたから。
そういう漠然とした不安感を抱えながら、大学は一般に「潰しがきく」と言われていた法学部を選択しました。
就職組やら資格組やら色々な進路の人が幅広く在籍していましたから。少なくとも当時は。
進路を考える際、コミュ力モンスター達を目の当たりにして「自分に就活は無理だな」と思ったのは大きかったですね。
それで選んだのがこの業界でした。
当時の私は「弁護士業界に出世競争はない。自分の信念に基づいて仕事ができる。また、会社倒産やリストラ等で放り出されるという心配もない。やり方次第で戦える、生き残れる業界なのではないか。」と考えていました。
今にして思えば半分正解・半分誤りというところでしょうか(笑)
〇弁護士になってよかったと思うこと
・仕事の自由度が高い・裁量が広いこと
・知的好奇心が刺激されること
・横断的な能力行使が求められる点で遣り甲斐があること
〇高校生の時期にやっておくべきこと
やって無駄なことはないと思います。
勉強はもちろんですが、部活動、学校行事等の委員活動、友達との普段からの何気ないやりとり、それらの全てが将来に活きてくると思います。
コミュニケーションの取り方であったり、段取り力など、いわゆる学力とは異なる能力も自然に培っていくことが肝要です。
◯大学受験について先輩としての意見は
受験勉強も真面目にやっておきましょう。
良い大学に入る意味は何か。
下世話なことを言えば、進路選択の幅や選択後の将来性といった点で有利になります。
例えば、国1を目指すなら東大を出ておくに越したことはありません。
まぁ今や国1を目指す東大生はマイノリティになりつつあるようですが。
一般的に言われる大手優良企業ということであれば、必ずしも東大でなくても良いかもしれません。
何なら、業界によっては他大学出身者の方が有利ということさえあるでしょう。
では、国1を目指さない人は、東大を目指す意味はないのか。
そんなことはないと思います。
いわゆる良い大学を目指す真に重要な理由や意味は何なのか。
それは周囲の人、環境です。
いわゆる良い大学ほど「凄い奴」がいます。
全体に頭のキレはもちろんですが、話すこと、考えること、やはりレベルが高いのです。
自信をなくしたり、憂鬱になったりすることもありますが。
刺激にも励みにもなるのです。
それに情報交換ができます。
これは大きい。
質の高い情報交換、ノウハウ共有ができる。周りの人の存在が、将来の自分の肥やしになるんです。
良い大学を目指す意味というのは、まさにこの点に尽きるといっても過言ではありません。
勉強自体は一人でだってできます。
その気にさえなれば。
重要なのは、自分一人の力では如何ともしがたいもの、すなわち周囲の他人であり環境なんです。
※この連載はフィクションです。実在の人物、団体及び事件等とは何ら関係がありません。