弁護士法人フィクショナル・公式ブログ(架空)

架空の国の架空の弁護士によるブログ

日本語の欠陥

 

1.「こんにちは」と「こんばんは」の丁寧語がない

依頼者には「お世話になっております」で済む。

それ以外の相手だと厄介だ。

同業者はもちろん、ちょっと仲の良い(だけどタメ口で話すわけにはいかない)仕事上の付き合いがある人等、昼・夜の挨拶の最適解が不明である。

「お疲れ様です」、「お世話になっております」以外の挨拶レパートリーがないと窮屈だ。

誰か偉い人、インフルエンサー(笑)、良い表現を広めてくれ。

※なお、一部業界では、「お疲れ様です」について、「ストイックすぎる」、「ネガティブな感じがする」、「別に疲れてねぇよ」という理由から「ワクワク様です!」という挨拶が流行っているんだとか。

※「ごきげんよう」だとオネエ感、フリーザ感が強すぎるから、やっぱり代案が必要だろう。

 

2.文語で断定表現を用いると拙い印象を与えてしまう

弁護士たる者、基本的には断定的な表現を避けるべきである。

「可能性が高いと思料します」

「と考えられます」

「かと存じます」

「する方向で予定しております」

「の方向で検討しております」

「~~も検討せざるを得ません」等々。

しかし、時には断定的な口調が有用な場合もある。

上記のような婉曲表現は、いわば「逃げ」である。

弁護士が弱腰になっているように見えてしまうことがある。

依頼者や相手方も敏感にそれを見抜いている(※かつて菅総理が「と思います」「と思っています」という表現を多用したことに関し、これが有権者らに不安感を与えた、リーダーが使う表現に相応しくないといった意見が散見された。弁護士と依頼者・相手方との関係を考えるにあたっても、示唆的な指摘である)。

そういう意味では、断定表現を使ってもリスクが低い(見込みが外れる可能性が極めて低い)場合には、依頼者を安心させるため、相手方に対して強硬に対応するため、婉曲表現よりも断定表現を使うべきである。

ところがどっこい。文語だと断定表現は非常に使い勝手が悪い。

端的に言うと、非常に頭が悪そうな印象を与えてしまう。

「〜の可能性はありません」

「〜の可能性は高い(低い)です」

「〜はあり得ません」

「絶対に〜です」

「〜は明らかです」

「〜をします」

「である調」ならそんなに違和感はないのかもしれないが、「ですます調」にした途端に何とも馬鹿っぽくなる。

ギリギリ馬鹿っぽくない表現は「まず考えられません」あたりだろうか。

外国語だとあんまりこういう問題は起きないのかな。

論理的(笑)だとか、合理的(笑)だともてはやされている英語であれば、文語の断定表現もスマートに使いこなせるのだろうか。

ともあれ、私は仕事で英語を使うことは殆どないので、誰か偉い人、インフルエンサー(笑)でこの日本語の欠陥を正してくれる人を急募する次第である。