一連の騒動を受け、現代音楽の演奏・受容の現況が気になってきた。
で、オンライン音楽雑誌のBachtrackにアクセスしてみた。
こちらは2023年に発表された、2022年のコンサート情報の集計結果。
なかなか興味深い内容だ。
意外なのは、かつて前衛を牽引したドイツとフランスの低迷ぶりである。
20世紀作品のプログラミング割合に関し、ドイツやフランスが、オーストリアやスイスなど一般的に保守的とされるコミュニティに劣っているのだ。
イタリアについては言及すらされていない。
もっとも、この統計では、小規模な現代音楽コンサート・音楽祭はカウントしていないそうだ。
したがって、独仏伊では現代音楽のアングラ化が進行しているだけで、実は他国よりも盛況であるという可能性もなくはない。
しかし、いずれにしても大規模な市場からは撤退・縮小傾向ということのようだ。
また、コンサートで取り上げられた回数の多い存命作曲家ランキングも面白い。

トップ10にイタリア人やフランス人の名前はない。
ポップスだけでなく現代音楽界隈においても、英米圏が強さを見せているらしい。
また、作風という点でもやはりと言うべきか、「調性があって分かりやすい音楽」が人気と見える。
バキバキ武闘派な前衛作曲家の名前は、トップ10に一人も挙がっていない。
ドイツ人では、リームやヴィドマンら(私の個人的趣味から見れば)軟弱な折衷様式の師弟ラインが申し訳程度に名を連ねている。
もう少し「やべぇ…こいつ頭おかしいって!」てな人に台頭してほしいものだが。
ケージ、ブーレーズ、シュトックハウゼン、ノーノたちは、彼方の世界からこの統計を見て、何を思うだろうか。
なんとなくのイメージだが、リゲティあたりは不気味な笑みを浮かべていそうだ。