アメリカ生まれの女性作曲家グロリア・コーツ(1933年10月10日 - 2023年8月19日)。
非常に多才な人で、作曲家としてだけでなく、女優、監督、歌手、作家、画家としても活動していたらしい。
「らしい」というのは、私自身この人のことをつい最近までよく知らなかったから。
今年の夏に亡くなったとの話題が目に入り、それをきっかけに彼女の交響曲を聴いてみた。
はっきり言って舐めてかかっていた。
だって、アメリカ生まれのクラシック系作曲家といっても、ケージやフェルドマンら実験音楽の派閥(良くも悪くも一番注目を浴びたグループ)ではないし、グラスやライヒのようなミニマルや新ロマン主義等のポストモダン(一番の人気枠)でもなく、かと言って、カーターやバビットのような東海岸のバキバキ武闘派アカデミズム(硬派な前衛グループ)にも属さない。
はっきり言って「マイナーリーグ」の作曲家である。
しかも、戦後西側にあってはもはや「時代錯誤」なジャンルの交響曲なんぞを量産していたというのだ。
女性の作曲家といえば、大物はグバイドゥーリナとサーリアホくらいのもので、その他大勢はわざわざ聴く必要もない「雑魚」くらいにしか思っていなかった(本当に失礼な話だけど)。
というわけで「どうせ大したことないだろ」と偏見たらたらで聴き始めてみた。
いやはや参りました。
ドロドロ・暗黒・情念系で、好きなタイプの音楽ですわ。
Coates: Symphonies Nos. 1, 4 & 7 - ヴォルフ=ディーター・ハウシルトのアルバム - Apple Music