弁護士法人フィクショナル・公式ブログ(架空)

架空の国の架空の弁護士によるブログ

落語家を指揮者にたとえてみる

 

芸風・業界内での立ち位置・生年をベースに、独断と偏見に基づき当てはめた。

 

三遊亭圓朝1839年5月13日 - 1900年8月11日)

ハンス・フォン・ビューロー1830年1月8日 - 1894年2月12日)

かたや落語中興の祖、かたや職業指揮者のパイオニア

いずれもレジェンドでありながら、音源が残っていない。

ただ、圓朝の伝説的なまでの評価の高さは、ビューローよりもニキシュに近い気はする。

しかしながら、歴史的な立ち位置や生年の近さを考慮し、ビューローをチョイスした。


古今亭志ん生(1890年6月5日 - 1973年9月21日)

ヴィルヘルム・フルトヴェングラー1886年1月25日 - 1954年11月30日)

草書体による天衣無縫な(ように見える)変幻自在の芸風。

作品以上に「志ん生フルトヴェングラー)」という強烈な個性が前面に出てくるところもよく似ている。

志ん生の大器晩成な点や奇人ぶりにフォーカスすると、クレンペラークナッパーツブッシュの方が近い気もする。

特にクナッパーツブッシュは芸風も近い感じがする。

しかしながら、歴史的立ち位置やフォロワーへの影響力を考慮し、フルトヴェングラーをチョイスした。


桂文楽(1892年11月3日 - 1971年12月12日)

カール・ベーム(1894年8月28日 - 1981年8月14日)

志ん生フルトヴェングラーとは対照的な、楷書体による堅実な芸風。

ライバルという立ち位置で考えると、トスカニーニでも良さそうだ。

しかし、生年の近さや活動圏を考慮し、ベームをチョイスした。


三遊亭圓生(1900年9月3日 - 1979年9月3日)

ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908年4月5日 - 1989年7月16日)

気難しい完璧主義者であることや、一時は絶大な地位にありながら、晩年は難しい立場に追いやられたこと等もよく似ている。

生年、芸風、性格の近さでいうと、ジョージ・セルも捨てがたい。

しかしながら、やはり歴史的立ち位置でいえば、近いのはカラヤンだろう。

 

柳家小さん(1915年1月2日 - 2002年5月16日)

オルグショルティ(1912年10月21日 - 1997年9月5日)

チョイスがものすごく難しかった。

前後世代のレジェンド達と比較した際の評価の難しさなど、両者は絶妙に近いような気がする。


笑福亭松鶴(1918年8月17日 - 1986年9月5日)

レナード・バーンスタイン(1918年8月25日 - 1990年10月14日)

上方落語の師匠達については、ドイツ語圏以外の指揮者に当てはめてみた。

豪放磊落で面倒見が良く、優れた弟子を輩出した松鶴師匠のキャラは、陽キャで愛情深く多くの後進を育てたバーンスタインがしっくりくる。


桂米朝(1925年11月6日 - 2015年3月19日)

ピエール・ブーレーズ(1925年3月26日 - 2016年1月5日)

端正で明晰な芸風。両者共に、作品へのアプローチに関し、後進達へ革命的なまでに大きな影響を与えているように思える。


立川談志(1935年12月2日 - 2011年11月21日)

ニコラウス・アーノンクール(1929年12月6日 - 2016年3月5日)

「現代に古典を演る意味」に対し、哲学的・衒学的・異端的なアプローチで向き合った。

彼らのレトリック・理論武装には、少しばかり胡散臭さを感じないではない。

しかし、こうした理屈を飛び越えて、感性がとてつもなく天才的だったのだろう。

謎の迫真性・説得力があった。


古今亭志ん朝(1938年3月10日 - 2001年10月1日)

カルロス・クライバー(1930年7月3日 - 2004年7月13日)

ザ・スーパー・スター。

偉大な父の存在が大きなプレッシャーになった天才的・悲劇的二世という共通点もある。

非常に綿密でありながら、歯切れが良く流麗で、何より「華」があった。


桂枝雀(1939年8月13日 - 1999年4月19日)

ジュゼッペ・シノーポリ(1946年11月2日 - 2001年4月20日

知性派であり、独自の理論に基づく異端的芸風により、熱烈な信奉者を生み出した。

長生きしていれば、間違いなくとてつもないレジェンドになっていたはずだ。

早過ぎる死が未だに惜しまれる。

 

柳家小三治(1939年12月17日 - 2021年10月7日)

クラウディオ・アバド(1933年6月26日 - 2014年1月20日

超実力者でありながら、少し歳上の強烈な個性を持った先輩達の陰に隠れがちである。

奇をてらうようなところのない真っ直ぐな芸風だ。


立川志の輔(1954年2月15日 - )

サイモン・ラトル(1955年1月19日 - )

新作(現代物)にも積極的に取り組み、マルチな才能を持った新世代のスター。

「永遠の天才青年」に思えた彼らも、そろそろ古希を迎えるというのが何とも不思議だ。


柳家喬太郎(1963年11月30日 - )

パーヴォ・ヤルヴィ(1962年12月30日 - )

志の輔喬太郎の近しいイメージは、まさにラトルとパーヴォ・ヤルヴィの近さに似ている。

 

春風亭一之輔(1978年1月28日 - )

アンドリス・ネルソンス(1978年11月18日 - )

若手注目株の筆頭ということで。