志ん朝師匠が関東・関西の各寄席で演じた「酢豆腐」を見比べてみると、その違いが興味深い。
まず、出囃子の「老松」。
関西の三味線の方が音が明るく、張っている。
それと、志ん朝師匠の演じ方。
関西の方がやや「コテコテ」でオーバーアクション気味だ。
何しろあの枝雀師匠のホームでの代演ということで、さぞプレッシャーも大きかったことだろう。
枕でもそのことをネタにしておられる。
心なしかいつもよりも汗をかいておられるように見える。
お客のリアクションも全く異なる。
保守的な客層の多い落語ファン。
日頃、上方の落語家による「ちりとてちん」に親しんでいる関西のお客のリアクションは、どうも重たい。
笑いが起こるポイントも異なっているようだ。
・関東
・関西