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雑記:賃料滞納&居座りと連帯保証人の自衛策

・不動産賃貸借で、個人が連帯保証人になっているケース

 

・主債務者の賃借人が、賃料滞納を続け、退去する気配もない。

 

・賃貸人が、不動産管理会社を通じ、連帯保証人に対し、賃料支払の督促状を送付。

 

・このまま、賃貸人が契約解除・建物明渡請求等の手続きを進めず、賃借人も賃料滞納&居座りを継続すれば、連帯保証人は賃料を支払い続けなければならない。

 

・連帯保証人だけやたらリスクでかい。どうすればよい?

・契約書の記載内容を確認、

更新に関してどういう定めになっているか、

既に更新しているか

更新前に賃料滞納は発生していたか

更新時までに賃貸人は損害拡大を防止するための適切な対応をとったのか

契約内容は改正民法を踏まえたものになっているか

 

・既に更新しており、更新時までに賃料滞納があり、契約内容も改正民法を踏まえていない等の事情があれば、賃貸人に対し何らか抗弁を主張可能ではないか。

 

※他事務所さんのページで引用している裁判例

東京地判平成10・12・28判時1672号84頁
東京簡判平成15・5・27裁判所ウェブサイト
東京地判平成6・6・21判タ853号224頁

 

ざっと原典を確認する限り、連帯保証人の責任を制限するのはやっぱりハードル高そう。難しそう。

 

(資料入手のうえ、詳細は追って検討)

 

◯追記(資料確認後)

・旧民法下の契約。

・更新時期はまだ来ていない模様。

・結局、厳しい見立てに変わりなし。

・上記各裁判例の内容を考慮すると、支払ができない、更新後に責任を負うつもりがない、早く解除や明渡請求の対応をして欲しい、ということを、賃貸人に内容証明で送付しておいた方が良さそう(保証人は更新拒絶できないものの〜〜)

 

・更新時に契約書を新たに交わさない場合、改正民法の適用はなく、従前どおりの責任を負うっぽい(最判平成9・11・13 集民第186号105頁や通説に従うと。ただし、明確なソースや裁判例はない。)

・なお、更新時に契約書を交わすパターンの場合は、経産省の見解によれば、改正法が適用される。ただし、明確に判断した裁判例はない。

・不動産会社の運用としては、保証人との間では、更新合意書は取り交わさない運用になってるのかな?その方が法的には賃貸人側に有利だし。