ティーレマン&ウィーンフィルが、2024年の「ブルックナー生誕200年」に向けて、交響曲全9曲の演奏・録音を企画しているらしい。
1曲ずつリリースして、9曲出揃う2024年に、晴れて全集として発売するということかしらね(コロナの影響とか大丈夫か)。
こりゃすごい。
何しろ、一人の指揮者が、ウィーンフィルと組んでブルックナーの交響曲全集を出すというのは、史上初めてのことなのだから(私の知る限りそうだったはず)。
ベートーヴェン、シューベルト、メンデルスゾーン、シューマン、ブラームス、チャイコフスキー、マーラー、シベリウス、この辺りは皆と〜っくに交響曲全集がリリースされているというのに。
ウィーンフィルにとって、ブルックナーは「お国もの」レパートリーのはず。
ロシア人やフィンランド人の全集を作る前に、することあるじゃろがい。
こりゃ一体どういうことなんだ?
ちなみに、ウィーンフィルによるブルックナーの全集は、既にあるっちゃあるんだが、たしか各曲で指揮者がバラバラだったはず。
しかも、その指揮者というのが、アバド、シュタイン、ベーム、マゼール、ショルティ、メータ・・・ブルックナー指揮者としては、超微妙なラインナップ(なんでじゃい!)
だが、今回タッグを組むのはティーレマンということで、これは期待大だ。
ウィーンフィル 、グッジョブ!
ティーレマンといえば、50〜60年前のドイツ系巨匠達を思い出させるような、先祖返り芸風の指揮者だ(指揮の身振りは、ドジョウすくいみたいで、めちゃんこダサい)。
この度の全集第一弾となる、第8番の演奏も、重心の低いドッシリとした音作りでありながら、決して大味になっていない。
ウィーンフィルの甘美な音色を活かしつつ、実にニュアンス豊かに仕上げたものだった。
楽譜の選択についても、第8番に関しては今や批判の多い、昔ながらのハース版を使っている。
彼流のプロパガンダというか、自身のキャラを心得たチョイスであり、思わずニヤリとしてしまう。
全集完成がとても楽しみだ。
・・・とはいうものの、ブルックナーの交響曲は全部で9曲ではない。
本当は11曲ある。
習作の00番と、時系列的には1番と2番の間に作られた0番を加え、全11曲だ。
ところが、今回の企画、「全集」を謳いながら、00番、0番は含まれていない模様。
(ティーレマンがやりたくないのか、ウィーンフィル がやりたくないのか、はたまた商業上の理由なのかは分からない)
結局、全集じゃないんかい!
ブルックナーは人気がなかったとか、20世紀後半からようやく世界的に評価されだしたとか、結局はドイツ・オーストリアの人間にしか理解できないとか、色々言われているけども、
未だにオーストリア人「も」、ブルックナーのことあんまり好きじゃないってことなのかねぇ。
う〜む。
(自分で⭐︎をつけてしまった・・・自演っぽくて超恥ずかしい。どうやったら消せんだこれ。2個に増えたぞ。)