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「暗記」の必要性に異議あり!(中編)

法律に関して言えば、「暗記は不要」というより、「暗記は不可能」という方が実態に即している。

日本の法律は約1,900、政令や省令を含めると約7,500あるという。

告示や通達、各自治体の条例も含めると、その数は更に膨大になる。

これら法令等には、その解釈を示したおびただしい数の裁判例が存在する。

さらに、実務では、日本法だけでなく、海外の法律が問題になることもザラだ(渉外取引、渉外離婚、渉外相続etc.)。

この全てを暗記することなど到底不可能。

そうである以上、暗記しきれないことを前提に、法的思考を展開しなければならない。

ここで重要になるのが、体系目次である。

枝葉の知識に囚われず、制度の全体像を理解することが肝要なのだ。

適用されそうな法令・考えられる手続・予想される争点さえ大局的にイメージできれば、細かい知識は条文・裁判例・書籍等を調べて裏を取れば良い。

ただし、細かい枝葉の知識を事前に身につけていないと「アウト」な場面もある。

「後で調べればOK」では済まないケースだ。

非常に初歩的な話だが、例えば、控訴期間は判決書の送達日から2週間以内とか。

その辺はメリハリだ。

暗記しないと「詰む」知識か否かを選別するためにも、体系的な理解というのは重要だ。

(後編に続くかも)