弁護士法人フィクショナル・公式ブログ(架空)

架空の国の架空の弁護士によるブログ

悩み:どこまで指示・回答するか

弁護士業は原始的な業態だ。


自分で営業して仕事をとり、自分で処理して、自分で報酬を請求する。
さながら現代の「狩人」だ。


分業・効率化の進んだ他業種の人とお話しするたび、自分たちの仕事の「野蛮」ぶりが恥ずかしくなる。

 

そんな弁護士業だが、他の弁護士や事務局との共同作業・協力という「一応の分業」はある。

 

私の目下の悩みは「どこまで指示・回答するか」である。

 

指示内容が不明確であれば、指示された方は対応に苦慮する。
誤解が生じて、有害・無益な作業をされてしまう危険もある。
そうでなくとも、指示内容を確認するための質疑応答という無駄な時間が生じることもあるだろう。

 

それでは、指示内容を一点の曇りもなく明確にすれば、それで良いのだろうか?
答えは「ノー」だろう。
私の仕事・負担が過度に増大し、「分業」のメリットが損なわれる(というより「分業」する意味がなくなる)からだ。
また、全体的な収益性や効率という観点で考えると、メンバーの中で私が一番短時間で対応可能な業務だったとしても、他の弁護士や事務局に丸々振ってしまった方が良い場合もある(「比較優位」という考え方)。
疑問や課題の含まれた指示の方が、振られた人材の成長にもつながるはずだ(偉そうな言い方になってしまうが)。

 

しかし、私があれこれ悩むのこの問題は、他業界の方からすると「バカバカしい」レベルの話なのかもしれない。

 

大企業の社長・役員や、そのレベルでなくとも、そこそこの地位にある人と関わる機会を持つ中で、度々感じることがある。

 

彼ら全員に共通する奇妙な「生態」だ。

 

それは
「自分の担当外は『徹底的に脳死プレイ』」
である。

(続くかも)