弁護士法人フィクショナル・公式ブログ(架空)

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ダークサイドに堕ちかけた話

※以下の話はフィクションです!念のため!

 

令和5年6月1日から、アカミミガメ及びアメリカザリガニが、条件付特定外来生物に指定された。

www.env.go.jp

この指定のせいで苦慮したことがある。

某店舗オーナーの依頼を受け、某テナントに対し、店舗スペースからの退去を請求・交渉していた際のことだ。

店舗内でアカミミガメとアメリカザリガニが飼育されていたのだ。

退去請求にあたっては、これら動物の処遇も適切に対応しなければならない。

諸事情により、テナント側に処理を委ねることは困難であった。

オーナー(依頼者)側で対応しなければならない。

オーナーとしては絶対に飼いたくないとの考えだ。

里親になってくれる友人や親族もいない。

条件付特定外来生物に指定された以上、捨てることは違法だ。

 

・・・私はダークサイドに堕ちかけた。

 

「俺が引き取って殺しちゃえば、簡単な話じゃないか?」

 

しかし、アカミミガメは、動物愛護管理法上の「愛護動物」に該当する(法44条4項2号「人が占有している動物で・・・爬虫類に属するもの」)。

アメリカザリガニは「愛護動物」には該当しない。)

 

「愛護動物」を「みだりに殺」すと「五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金」に処せられる(法44条1項)。

(「みだりに」というのは、正当な理由もないのにといった意味である。)

 

逆に言えば、正当な理由(やむを得ない事情)があれば、殺処分も違法ではない。

しかし、殺処分を行う場合にも「できる限りその動物に苦痛を与えない方法」でなければならないとされる(法40条1項)。

(ただし、違反に対する罰則はない。とはいえ、弁護士である私が、不適切な方法で愛護動物を殺処分したことが明るみになれば、弁護士会から懲戒処分を受ける危険もある。)

 

できる限り里親探しを行うなどし、殺処分の回避努力を講じる必要があるのだ。

そのうえで、どうしても里親が見つからなければ、冷凍庫に入れて凍死させる冷凍殺等の対応を検討しなければならない(なるべく楽に死なせてやる必要がある)。

家庭用冷凍庫で行う場合は、食材とカメが触れないようにし、厳重に包装してしっかり消毒を行うなど、食中毒に十分注意しなければならない。

(なお、一部の団体は、冷凍殺は苦痛を伴う不適切な方法である旨提言しているとかなんとか・・・。)

 

正直

「あぁぁ~~!!めんどくせぇぇ!!」

である。

 

ぶっちゃけた話、私がこれら動物を引き取った後、私が何をしようが、誰にもバレるわけがない。

極端なことを言えば、生きたまま包装してゴミとして捨ててしまっても、まず問題ないだろう。

 

・・・正直な話、かなり心が揺れた。

 

・・・しかし、その後ネット検索を続け、里親になってくれる団体を発見できた!!

(ご迷惑をかけたくないので、詳細は記載しない。)

 

幸い私はダークサイドに堕ちずに済んだのだ!!