日本史上最高の民法学者我妻榮(1897年(明治30年)4月1日 - 1973年(昭和48年)10月21日)。
彼の貴重な肉声・映像が残っている。
1970年に記録されたもので、母校の小学生相手の講演らしい。
一般的に、自分が一角の人物と思い込んでるようなジジイというのは、自慢ばかりで話が長くてつまらない。
さすがは我妻榮。全然違う。
やはり彼は大人物だ。
少しも偉ぶるようなところがない。
優しく、にこやかに、小学生にも分かるように語りかけている。
学生時代の我妻は、岸信介の良きライバルであり、互いに切磋琢磨しながら、東大法科の成績トップ争いをしたという。
おっかない、食えない、冷血な感じの岸に対し、実直・穏やか・博愛的な我妻。
戦時中には弾圧されたクリスチャンを助けたとか、退去強制の対象となった人の保証人になり、日本に残留できるよう尽力し命を救ったとか。
これらの他にも、人知れず数多の善行を積んだ方だそうだ。
こんな爺さんになりたいものだ。