12月21日、吉松隆「カムイチカプ交響曲」の新譜がリリースされた。
演奏は原田慶太楼指揮/東京交響楽団。
音楽を聴いていてゾワゾワと鳥肌が立ったのは本当に久しぶりだ!!
我輩は原田慶太楼氏の指揮が大好きだ。
数年前に彼のベートーヴェンをライブで聴いて以来のファンである。
今回も、彩度の高い、エネルギッシュかつスリリングな演奏を聴かせてくれている。
「カムイチカプ」は、若き日の吉松氏が文字通り野垂れ死にする覚悟で書きあげた、「生命の燃焼」とでもいうべき強烈な音楽だ。
中でも、前衛とプログレッシブロックがミックスされた第3楽章は、全曲中の白眉である。
今回のこの演奏……これは凄いぞ……(まさかのライブ?!)!!
原田慶太楼指揮/東京交響楽団(2022)
過去には、藤岡幸夫指揮/BBCフィル(2000)、尾高忠明指揮/東京フィル(1990)のCDがリリースされている。
今回の原田慶太楼指揮/東京交響楽団(2022)盤は、少なくとも第3楽章に関しては、過去最高の出来栄えではなかろうか。
尾高盤は、未整理なゴチャゴチャとした面こそあるものの、産声を上げたばかりの作品の生々しさ・生命力が感じられて、実に興味深い。
藤岡盤、原田盤と次第に解像度が上がっていきながらも、相変わらず新鮮さを失っていない。
時代が進むにつれ、作品の研究・理解が深まったからか、演奏がだんだん進化しているように感じる。
※聴き比べ用
藤岡幸夫指揮/BBCフィル(2000)
尾高忠明指揮/東京フィル(1990)