弁護士法人フィクショナル・公式ブログ(架空)

架空の国の架空の弁護士によるブログ

TENET テネットが面白い【ネタバレあり】

 

難しかった。

 

ノーラン作品で一番難しいんじゃないか。

 

一度目の鑑賞では、恥ずかしながらロクについて行けなかった。

 

パンフレットを読んで、再トライしてようやく「おもしれぇ!」となったくらいだ。

 

それでも完全には理解できてないけど。

 

冒頭のオペラ劇場襲撃のシーンとか、あれ観客に理解させる気ゼロでしょ。

2回観て未だによくわからんぞあれ。

 

理解できなくても、その後の本筋にほぼ影響ないから、問題ないんだろうけどもさ。

 

あと緊張感の演出と音楽が最高にカッコいいから、まぁいっかみたいなとこもあるしね。

 

ダークナイト冒頭の銀行強盗のシーンみたいな「あぁノーランっぽいな、知らんけど」って感じで。

 

カーチェイスと最後の戦闘シーンは、2回目の方が断然面白いなぁ。

「あぁそういうことか!」の連続で。

 

これ一発で理解できる人は、相当な情報処理能力だでよ。

 

同じノーラン作品だと、「メメント」も時系列の情報処理がかなり難しい。

 

だが、瞬間最大風速(瞬間最高難易度?)でいえば、「メメント」よりも本作の方がダンチでむずい。

 

メメント」の場合、話の構造自体は以下のとおりで意外とシンプルだ。

 

実際の時系列はシーン01〜シーン43となっているが、我々観客に観せられる順番は

 

シーン43→シーン01→シーン42→シーン02→シーン41→シーン03→・・・

 

となっており、振り子のように時間の前後を行ったり来たりするようになっている。

 

10分間しか記憶が保たない障害を患う主人公の「あれ?今これ何が起きてるんだ?なんでこうなったんだ?」という感覚を、我々観客も疑似体験できるという仕組みだ。

 

最後の最後(時系列順でいえばド真ん中のシーン)に至って、シーン43で主人公が相手の男を射殺した経緯・真相が分かる(さらにいえば、周囲の人間が、記憶障害を患う主人公を利用し、騙していただけでなく、主人公さえもが、自分自身を利用し、騙していたことが判明するというダークなオチが待っている)という構造になっている。

 

本作テネットも時系列が複雑なんだが、何がタチ悪いって、1つのシーンの中で、時間の流れが順行しているキャラと、逆行しているキャラがいて、相互にやりとりしているから、もうヒッチャカメッチャカなのだ。


最後のスタルスク12の戦いのシーンなんかも滅茶苦茶でしょう。

 

間違ってたらアレだけど、あのシーンの各キャラの動き・時系列って多分こんな感じよね?


味方A→→→→
味方B←←←←
味方C  ←←
     →→
      
敵方A→→→→
敵方B←←←←

 

これが味方Aの視点で展開したり(味方Bや敵方Bの動きが逆再生に見える)、

 

味方Bの視点で展開したりして(味方Aや敵方Aの動きが逆再生に見える)、

 

味方Cなんか、逆行で行動を開始して、敵方Aが味方Aを罠に嵌めようとしていることに気が付いたので、味方Aを救うため、順行に切り替え、なんとか爆心地から味方Aを救出し、任務を遂行できたと思ったのも束の間、実は自分が逆行して味方Aのために死にに行かないと、任務を完遂することができなかったということに気が付いたので、再び逆行して、味方Aを救って殉死する、という複雑な行動をとっている(あってるよね?)。

 

カーチェイスしながらのプルトニウム241の争奪戦のシーンも、えらい難しかったなぁ。

 

すごく面白かったけど、どうなんだろねこれ。

 

ノーランの他作品に比べてもちと難しすぎるんでないの。

 

う〜ん、3回目も観ようかな〜。