弁護士法人フィクショナル・公式ブログ(架空)

架空の国の架空の弁護士によるブログ

ローリングストーンズ展【メロディメーカーの条件】

弁護士の団堂八蜜です。

 

五反田のローリングストーンズ展、行ってきました。

ほとんど知らなかったけど。ローリングストーンズのこと。

詳しい人に連れられて。

 

有名なベロのロゴは知ってましたよ。

あとは、サティスファクション、スタートミーアップとかジャンピンジャックフラッシュあたりをちょっと知ってるくらいか。

そうそう、陰鬱映画フルメタルジャケットのEDも印象深いですね。

 

展示内容ですが、彼らが暮らしていたアパートの再現やステージ衣装等、なかなか興味深いものでした。

 

特に印象深かったのは、例のロゴので〜っかいオブジェ!

プロジェクションマッピング?でデザインがコロコロ綺麗に変わり続けるんです。

2分間デザインがニュルニュルと目まぐるしく変化する様は如何にも「サイケ」。

 

いやぁ楽しかった。

 

・・・・・・

 

ところで

 

ごくごく浅〜い知識で話すのも恐縮なのですが

 

私が思うに、ローリングストーンズは決してメロディメーカーではない。

 

私の考えるメロディメーカーの基準は

「記憶に残りやすくて口ずさみやすいメロディを3つ以上書いていること」

 

例えば、同世代でよく比較対象にされるビートルズは、メロディメーカーと言って良いと思います。

 

レットイットビー

ヘイジュード

イェスタデイ

ハードデイズナイト

オブラディオブラダ

オールユーニードイズラヴ

シーラヴズユー

アイウォントゥホールドユアハンド

ヘルプ

イェローサブマリン

等々

 

誰もが一度は聴いたことがあって簡単に口ずさめる美しい、楽しいメロディの数々だ。

 

他方でローリングストーンズはというと

 

・・・???

 

残念ながら全くお話にならない。

私だけでなく、大多数の洋楽ニワカの方々には概ね賛同いただけるものと思う。

 

ところで、とかく我々一般大衆は、猫も杓子も何かとすぐに比較ごっこをしたがる。

 

別に私は、お行儀良く価値相対主義を標榜して、「比較は無意味」、「好みは人それぞれ」などと陳腐極まる意見を述べたいわけではない。

 

そうではなくて、およそ「相手にならないモノ」同士を比較の俎上に載せるのは如何なものなのか。その点なのだ、私が異を唱えたいのは。

 

私の好きなストラヴィンスキー周りを例に取り上げると

ストラヴィンスキー作の「春の祭典」とシェーンベルク作の「月に憑かれたピエロ

ストラヴィンスキーピカソ

は何かと互いに比較されるような気がする。

 

これらなんぞ「まるで相手にならないモノ」を無理矢理比較対象にしているのだから、甚だ始末が悪い。

 

音楽業界において、「月に憑かれたピエロ」が「春の祭典」ほどの影響力と支持を誇ったことが、未だ嘗て一度たりとてあっただろうか?

 

美術愛好家の中で、ストラヴィンスキーごときを、かのピカソに勝るとも劣らない大芸術家と看做す好事家など、果たして存在するだろうか?

 

それっぽい評論を書くために、およそ「敵し得ないモノ」、「比肩し得ないモノ」を比較対象に据え、しめしめと御高説を垂れる学者、評論家やスノッブ達の悪趣味には、ほとほと呆れさせられる。

全く大概にしていただきたいものだ。

 

閑話休題

 

ローリングストーンズについてですが

まぁ評価の基準は決して「メロディメーカーか否か」だけじゃないですからね。

メロディメーカーじゃなくたって良い曲を作る人は沢山います。

 

それにそもそも

ローリングストーンズ はメロディメーカーだ!」

「わからない団堂が音痴なだけだ!」

というご意見もあるでしょう。

あれだけ長く愛されているバンドですから。

 

まぁ私に聴く耳がないということで、悪しからずご勘弁を・・・。

 

・・・・・・

 

ところで

 

クラシック作曲家に関しても

「誰がメロディメーカーか?」

が話題になったりします。

 

一般的には

シューベルト

ショパン

チャイコフスキー

ドヴォルザーク

ヨハン・シュトラウス

なんかが挙げられますね

 

意外にも

・バッハ

モーツァルト

ベートーヴェン

といった超ビッグネームの名前はあまり上がりません。

 

特にベートーヴェン

「メロディを書くのは得意ではない」

「展開力、構成力で魅せる人だ」

と言われることが多いような気がします。

 

でもこれ、私はちょっと違うと思います。

 

・田園交響曲の第一楽章の第一主題(♪黒豆ココアはハウスだ〜よ〜♪)

 

・第九交響曲の第四楽章の歓喜の歌(年末によく聴くやつ)

 

・ヴァイオリンソナタ春の第一楽章の第一主題(BGMでよく使われます。聴けば「あぁこれか!」ってなります。)

 

ほら3つクリア。

(運命のジャジャジャジャーンはあまりにも有名ですが、これはメロディというより動機(モティーフ)だと思うので除外。)

 

※超大事なのを忘れていました・・・

ピアノソナタ第8番悲愴の第2楽章!

これなど名旋律ですね。

 

団堂基準にあてはめれば、ベートーヴェンは間違いなくメロディメーカーですよ。

 

ですから

ベートーヴェンはメロディを書くのが得意ではない」

という認識は誤り、偏見だと思います。

 

この偏見については

 

1「偉大な作曲家は大衆受けを狙わない」

 

2「メロディメーカーは大衆受け狙いである」

 

3「ベートーヴェンは偉大な作曲家である」

 

「よって、ベートーヴェンは大衆受けを狙わないし、メロディメーカーではない」

 

という滅茶苦茶な論理展開に基づくものと思われます。

3はともかくとして、1や2は・・・。

 

日本の教養主義西洋音楽観の悪しき側面ですね。

バッハやモーツァルトがメロディメーカー扱いされないのも同じ理由でしょう。

 

ベートーヴェンの評価としては

「メロディメーカーであることは売りにしていない、そこで勝負はしていない」

というのが、よりしっくりくると思うんですよ。

 

海外ではどういう評価なんでしょうね。

 

 

※この連載はフィクションです。実在の人物、団体及び事件等とは何ら関係がありません。